先日「みんなのCRM」第8回のセミナーを開催いたしました。弊社からSNSプランニングチームマネージャーの大元、ゲストスピーカーとして株式会社生活総合サービス(ていねい通販)の堀様にご登壇いただきました。
<ゲストスピーカー>
株式会社生活総合サービスブランド企画部
ソーシャルコミュニケーション 堀 翔太郎様
2018年、株式会社生活総合サービスへ入社。サイト運営、SNS運用、メール施策などWebのCRM施策を経験。 2021年より、SNSのCRMに特化したソーシャルコミュニケーションチームへ所属。
株式会社生活総合サービス様概要
ていねい通販について
<モデレーター>
株式会社ライフェックス
SNS Planning team Manager 大元 由実子
化粧品通販のブランドでコールセンター業務を経験した後、Twitter、Instagram、YouTube、TikTokをはじめとするSNS全般の中の人としてSNS運用に関わる。2022年SNSの経験を支援側で生かすためにライフェックスにJoin。
「SNSでのファンコミュニケーション」3つの基本のキ
SNSでのファンコミュニケーションにおいて、これだけは押さえておきたい基本はキは、次の3つが挙げられます。
具体的にどういった点を押さえればよいのか、それぞれ解説します。
①SNSの中の人の可視化・ブランドの明示(お客様を不安にさせない)
基本のキの1つ目「お客様を不安にさせない」の点において大切なのは、「SNSの中の人がどんな人物か可視化する」「どのようなブランドなのか明示する」ということです。特に実店舗がない場合は、誰が作っているのか、どんな人なのかが見えず、お客様の不安要素になります。
実店舗があればデパコスのキレイな美容部員さんや、笑顔で接客してくれる店員の人物像がみえ、どのようなブランドなのかも伝わりやすくなっています。お客様も安心して商品・サービスを購入できるでしょう。同じようにSNSにおいても「SNSの中の人がどんな人物なのか」「どのようなブランドなのか」を可視化・明示することで、お客様の不安を解消できます。
②ネガティブな意見も取り入れ、SNS上で解決する(商品を気に入ってもらう)
基本のキの2つ目は「商品を気に入ってもらう」です。この点において大切なのは、「ネガティブな意見にも耳を傾け、もし解決できるならばそのSNS上で解決する」ということです。SNSの特にTwitterでは、ネガティブな意見がエコーチェンバー的に広がりやすい要素があります。そういう意見にも耳を傾け、単なるUGCとして処理するのではなく、お客様が何に対してどういう感情を持っているのかを深堀りする。そして可能であればSNS上で不満を解決するというのが、商品を気に入ってもらうことに繋がると考えます。
例えばよくあるのは、お客様のネガティブな意見に対してお客様窓口に案内するという対応です。そうではなくSNS上でお声がけをし、もし解決できるのであればSNS上でみえる形で解決してあげる。これが商品を気に入ってもらうための1つのステップになると思っています。
③素敵な口コミにはお返事を(ブランドのことを誰かに紹介したくなる)
3つ目の基本のキは「ブランドのことを誰かに紹介したくなる」です。この点において大切なのは「素敵な口コミにはお返事をする」ということです。
商品やサービスに対してよかったというお客様の感想や、タグ付けをして載せてくれた投稿に、「ありがとう」「嬉しかったです」と事業者側が伝える。1ユーザーが企業側から返事をもらえる、認知してもらえることで嬉しくなり、ひいては「誰かに紹介したくなる」に繋がると考えます。
これらがSNSをCRM上で使う場合に、大切なる3つの基本になります。
効率よりもやさしさを。ていねい通販式「SNSでのファンコミュニケーション」を学ぶ
ここからは、株式会社生活総合サービスの堀様より解説いただきました。
「効率よりもやさしさを」という経営方針のもと、SNSにおいてもさまざまな取組をおこなっています。
「身近な人から大切に」という価値基準
SNSのお話の前に、大切にしている価値基準をまず説明します。ていねい通販では「身近な人から大切に」という価値基準がまず前提としてあります。
私たちの商品で「お客様に元気とキレイを届けて、頑張る女性を応援したい」というのが、掲げているコンセプトです。しかしお客様に喜んでもらったり、笑顔になってもらうためには「自分自身が心に余裕がないといけない」と考えています。この「身近な人」には自分自身も含まれます。
まず自分自身が満たされれば、シャンパンタワーのようにそこからこぼれ落ち、次の身近な家族や大切な人を満たすことができる。さらにその先、一緒に働く仲間やビジネスパートナー様を満たすことができる。その結果、最終的にお客様にも心に余裕を持って優しい気持ちで接することができ、笑顔にも幸せにもできるのではないか。これが私たちの価値基準です。
「効率よりもやさしさを」という経営方針
「効率よりもやさしさを」という経営方針を掲げています。効率はもちろんビジネスにおいて重要ではありますが、効率ばかり選んでしまうとさきほどの価値基準「身近な人から大切に」が難しい部分がでてきます。本当にシンプルに喜んでもらいたいという気持ちで動くことで、ていねい通販らしい、さきほどの価値基準に合った行動に繋がっていくと考えています。
この経営方針のもと、例えば次のような施策をおこなっています。
中でも誕生日プレゼントは、お客様一人ひとりの誕生日の「当日」に届くようにプレゼントを送っています。もともとは月ごとにまとめてお送りしていたところを「やっぱり誕生日は当日にお祝いできたほうが嬉しいよね」というスタッフの一言から実現しました。当日に届けるために、物流の方々とも連携しています。
上の画像はSNSに実際に投稿された、お客様の写真です。このようにSNS上での発信にも繋がっています。予算は年間1億円超えで売り要素はゼロの施策ですが、お客様から喜びの声をいただいています。
スタッフとお客様が繋がる「お客様アンケート」
月刊誌の中にお客様アンケートを同封しています。商品についてだけでなく、例えば「私の周りの感じがいい人」のような内容で、お客様のプラベートを少し聞けるようなアンケートになっています。
このアンケートのお声に対し、社長を含めた全スタッフで返信しています。商品はもちろんですが、プライベートの質問をさせてもらうことで、よりお客様のことを知ることができます。結果的に文通のようなやり取りに繋がっているスタッフもいるほどです。
重要視しているSNS「みんなが集まれる場所」
重要視しているSNSでいうと、Instagram(ていねい通販【公式】)が1番大きいと思っています。Instagramをやり始めたそもそもの経緯は、すっぽん小町を紹介してくださったブロガーさんのブログにあった、次のようなコメントがきっかけでした。
このように商品としての繋がりがない、いわゆる「休眠顧客」のお客様でも、これだけていねい通販を好きでいてくれている。それはとてもありがたいことでした。商品を買った・買わない、新規・既存に関わらず、みんなが集まれる場所を作ろう。こういった経緯でInstagramを始めました。今では最も大切にしているSNSです。
Twitterを活用する上でのポイントは「丁寧なリプライ」
InstagramだけでなくTwitter(ていねい通販【公式】)も重要視しているSNSで、中でもTwitterの「リプライ」に注力しています。
例えば「#すっぽん小町」「#ていねい通販」を付けた投稿や、テキストベースで「すっぽん小町」「ていねい通販」の言葉を入れてつぶやいている方たちがいます。このような方たち全員に、以下のように丁寧なリプライをしています。
お客様のふとしたつぶやきに対して、熱量の高い返信を心がけています。さらに意識しているのは、お客様が何に悩んでいるのか、どのような人物なのか、プロフィールから調べて返信することです。
その結果、お客様からさらに引用リツイートされ「まさか公式さんから返信をいただけるとは」とお声をいただくことや「実際に購入しました」と報告していただけることもあります。やりとりが長くなる場合はDMで対応して、商品を購入検討しようか判断がつくまでフォローしています。
【まとめ】SNSの活用を楽しく地道に続けるためのコツ
自分たちがまず楽しむことが、SNSを続けるコツです。Twitterでいうと、担当者がリプライを楽しんで、率先してアイディアを出してくれています。さきほど紹介したリプライの事例にあるイラストですが、もともとはテキストのみでした。テキストだけではお客様に伝わりづらい部分もあり、季節やシーンに合ったいろいろなパターンのイラストを作る企画をしてくれたのです。お客様のタイミングに合ったメッセージにプラス画像を載せることで、中の人柄やイメージが浮かびやすくなりました。
SNSの中の人が楽しんでいるからこそ、お客様にも届くと感じています。SNSを地道に続けるコツは、やはりSNS担当者が楽しむというところが大きいのではないかと思います。
以上になります。
ていねい通販さんの取り組みに学び、自社にあった「SNSでのファンコミュニケーション」のあり方を議論いただいてはいかがでしょうか。
ゲスト登壇いただきましたていねい通販の堀様、事例を提供いただいたていねい通販SNS担当の皆様誠にありがとうございました!
株式会社ライフェックス会社概要資料をダウンロードしてみてください。
ライフェックスはブランディングを起点にトータルマーケティングサポートを行っています。