ステップ配信とは、ユーザーの特定のアクションをトリガーとして、予め準備されたメッセージを定められたタイミングで順に送る機能のことを指します。この手法は、メールマーケティングの領域でよく利用され、「ステップメール」として知られています。
例えば、ECサイトで商品を購入した後、一週間後や二週間後に特定のフォローアップメールが届くことはよくあるシナリオです。ここで、購入が「トリガー」となり、その後に順序立ててステップメールが送られていくわけです。
このリズミカルに配信されるメッセージの流れを、LINE公式アカウントでも実現するのが「ステップ配信」です。ユーザーの行動に応じて、自動的にパーソナライズされたコミュニケーションが可能になるため、エンゲージメントの向上やリテンションの促進に効果的な手段となります。
ステップ配信の詳細をご確認いただき、効果的なコミュニケーションツールとしてご活用ください。
LINEのステップ配信について
公式LINEの「ステップ配信」とは、友だち登録をしたユーザーの中で特定の条件を満たした人々に向けて、事前に設定したメッセージを自動的に順次送信する機能です。多くの方々が言葉には馴染みを持ちつつも、その具体的な運用方法までは把握していないことでしょう。
この記事では、ステップ配信の基本概念から、性別や年齢、地域、OSなどのユーザー属性に合わせたメッセージカスタマイズ、さらには友だち登録後の経過日数に基づいたメッセージ配信設定など、その活用方法について詳しく解説します。
【ステップ配信のメリット】
- 見込みユーザーへのアプローチを自動化できる
- 効果的な訴求ができる
手間をかけず、よりスムーズな顧客獲得へ繋げられるのが本機能の魅力です。各メリットの詳細については後述していますので、より多くの顧客を得るために役立ててください。
見込みユーザーへのアプローチを自動化できる
ステップ配信は、いずれ商品やサービスを購入する見込みのあるユーザーへ自動的にアプローチできるのが魅力です。条件をあらかじめ設定しておけば、あとは何もしなくても自動でメッセージが送信されます。
ステップ配信を使わない場合、一斉配信のたびにメッセージの設定を1通ずつ行ったり、自分でユーザーを区分けしてメッセージを送ったり、といったように作業負荷が増えます。メッセージ送信の手間を減らし、他の業務に集中できる環境を作りたいときに本機能が役立つでしょう。
効果的な訴求ができる
ユーザーの購買意欲が強いタイミングでPRできるのも、嬉しいポイントです。一般的に、ユーザーがLINEの公式アカウントに友だち登録をしたということは、その商品やサービスに関心を持っているサインだと考えられます。購買意欲が強まっているユーザーへスムーズにメッセージを送信できれば、購入まで繋げられるかもしれません。
また、ステップ配信は文章だけでなくクーポンや画像を使って視覚的にインパクトのあるメッセージを作成できます。文章メインのメッセージより画像などを用いた方がユーザーの理解度が高まるため、より訴求効果を上げられるでしょう。
ステップ配信のやり方
こちらでは、操作のやり方について紹介します。まずは基本の流れをチェックしましょう。
【ステップ配信のやり方】
①ホーム画面のステップ配信内「作成」をクリック
②基本設定を入力
③メッセージ設定を入力
④ステップを追加
一度使い方を覚えておけば、特別な知識がなくてもスムーズに使いこなせるようになります。詳しい方法は手順ごとに詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
①ホーム画面のステップ配信内「作成」をクリック
ホーム画面左にある「ステップ配信」をクリックすると、右側に緑色の「作成」ボタンが現れます。作成ボタンを押下し、基本設定画面に移動しましょう。なお、ステップの作成上限20件を超えている場合は作成ボタンをクリックしてもエラーが出ます。また、すでに作成済みのステップがある場合は「タイトル」「ステータス」「有効期限」「利用期限」が表形式で表示されますので、必要に応じて確認してください。
②基本設定を入力
設定画面には基本設定とメッセージ設定の2種類があります。まずは、基本設定で各項目を入力してください。
- 管理用タイトル:ステップを管理するためのタイトルを決めます。
- タイムゾーン:メッセージ送信や有効期間の基準となるタイムゾーンを設定します。デフォルトで「Tokyo」に設定されているため、国内で利用する場合は特に何もする必要はありません。
- 有効期間:配信を始める日と終了する日を決めます。有効期間を過ぎると、ユーザーの追加は停止されるのが基本です。ただし、追加済みのユーザーには引き続きメッセージが送られます。
- 配信数の上限:配信メッセージ数の上限を設定したい場合に入力します。
③メッセージ設定を入力
メッセージ設定では、どのようなタイミングでメッセージを送るか決めます。左側の「友だち追加」をクリックすると右側に設定画面が現れるため、条件に合わせて入力してください。
- 追加日:追加日以降に友だち登録したユーザーが送信対象となります。
- 追加経路:経路とは、ユーザーが友だち登録に至った経路のことです。「特定の経路」では、表示項目の中から条件を選択します。
④ステップを追加
「ステップ追加」をクリックすると「メッセージ配信」と「条件分岐」が表示されます。メッセージ配信では、送信するコンテンツの編集や送信の時間帯などを決められるのが特徴です。
条件分岐では、メッセージ送信対象者の条件を決めます。性別や年齢、地域などでターゲットを絞り、より訴求力の高いメッセージを配信したいときに設定してください。
4-1:メッセージを配信
「メッセージ配信」を選択すると、右側に編集画面が表示されます。
- メッセージラベル:各メッセージを管理するためのタイトルを入力します。
- 配信時間帯:配信の希望時間帯を設定します。
- コンテンツ:送信するメッセージの内容を編集します。1つのメッセージにつき、3個以内のコンテンツの追加が可能です。
メッセージを保存したら、次に左側のメニューにある「1日後」をクリックします。編集画面で友だち登録から何日後にメッセージを送るか設定し、保存を選択してください。
4-2:条件分岐を設定
「条件分岐を追加」を選択すると右側に「条件を編集」が表示されます。各項目を入力して、条件を設定してください。
- 条件ラベル:条件を管理するためのタイトルを設定します。
- 条件:メッセージ送信対象者を絞るための条件を設定します。属性(性別・年齢・OS・エリア)とオーディエンスから条件を決めてください。オーディエンスとは、指定した条件を基準に作成されるユーザーグループのことです。
ステップ配信の料金
ステップ配信は、LINE公式アカウントのプランに関係なく無料で利用できる機能です。ただし、プランによって配信可能なメッセージ数の上限が定められています。通常のメッセージだけでなく、ステップ配信のメッセージも1通にカウントされるため注意してください。
ステップ配信をするときの注意点
ステップ配信を利用する際には、以下の注意点を意識するようにしてください。
【ステップ配信時の注意点】
- ステップ配信のメッセージは料金プラン内の1通としてカウントされる
- プランの上限数を超えたらステップ配信は停止される
前述の通り、ステップ配信で送ったメッセージは料金プラン内の1通としてカウントされます。プランの上限を超過した場合は停止されるため注意が必要です。再びステップ配信を始めたいときはプラン変更で上限メッセージ数を増やしたあと、ステップ配信画面で「再開」を選択しましょう。
ステップ配信の事例
ステップ配信はさまざまな業界で活用されていますが、例として飲食店での利用法を紹介します。
飲食店では、クーポンを配信して再来店を促すのがおすすめです。友だち追加で即時使えるクーポン、1週間後に期間限定の再来店クーポン、1ヵ月後に割引クーポンといったように配信することで、リピーター獲得に繋がるでしょう。
まとめ
ステップ配信は、条件を絞ることで見込みユーザーへ効果的にアプローチできる便利な機能です。コンテンツ内容や条件、送信日時などをあらかじめ設定しておけば自動でメッセージが送信されるため、公式アカウント運用の手間を減らせます。新たなビジネチャンスを掴むため、LINEを上手に活用してみませんか。