先月「みんなのCRM」第9回のセミナーを開催いたしました。
弊社からCRMチームマネージャーの江森、SNSプランニングチームマネージャーの大元、ゲストスピーカーとして日本ヘルスメイト株式会社 エミュアール化粧品広報の樽脇様にご登壇いただきました。
【ゲストスピーカー】日本ヘルスメイト株式会社 エミュアール化粧品 広報 樽脇 洋子様
▼日本ヘルスメイト株式会社様 概要
【モデレーター】株式会社ライフェックス
CRM Division Manager 江森 清文
SNS Planning team Manager 大元由実子
会報誌とは?
会報誌は、自社の取り組みやサービスについて知ってもらい、ファンを育てるツールとして活躍します。
会報誌を始める手順は必ず決まっています。例えば、コールセンターができていない段階で、会報誌を届けても問い合わせを受けられません。クロスセル用のLPがしっかり作られていないと、商品紹介も困難です。ステップメールも同様のことがいえます。まずはコールセンター、クロスセル用のLP、ステップメール、同梱物などを作ります。その過程で制作した素材を活用して、会報誌を作ることも可能です。
「会報誌」3つの基本のキ
お客様から店員の顔が見えない、商品が触れない通販において、会報誌は、お客様との重要なコミュニケーションツールだと昔から言われてきました。ただし制作に手間がかかる点や、一度会報誌を始めると途中で止められない点があり、なかなか二の足を踏む企業様も多いのではないでしょうか。
会報誌は既存顧客向けであり、やるとやらないとではファン化のスピードも全く異なります。ここでは改めて会報誌をお客様に送るメリット、会報誌の本当の意味についてお話しします。
基本のキ①:会報誌で企業の姿勢を見せる
まず1つ目の基本のキは「会報誌で企業の姿勢を見せる」です。
どのような人が作っているのか、代表はどのような人なのかを紹介したり、場合によってはどういう工場で作って、どのように出荷しているのかを見せたりすることで、より身近に感じてもらうことができます。
具体的な例を挙げると、オイシックスさんなどは生産者の写真やどんなところで野菜を作っているのかを紹介しています。このように企業の姿勢や従業員を見える化すると、安心感が醸成されます。
基本のキ②:お客様と繋がる定期的な接触
2つ目の基本のキは「定期的な接触」です。お客様との接点は1つでも多い方がよいとされています。メールもDMも受け取らない方もいるため、会報誌は同梱に入れて全員に送れる手段です。
通販はウェブ上で接触することが多く、「1 to 1のコミュニケーション」は薄れていってしまいます。信頼関係、エンゲージメントを高めるには、会報誌を含めたさまざまな手段に取り組むべきです。お客様との繋がりを恋愛に例えると下のような図になります。
連絡先(顧客情報)を交換してからメールや電話、LINEなどでアプローチする。そういったアプローチのなかの1つに会報誌があります。お客様の好みに合わせた情報発信でコミュニケーションを継続していくことで、ブランドのファン化に繋がります。
基本のキ③:クロスセルを狙った商品の紹介
3つ目の基本のキは「クロスセルの活用」です。ファン化してきたお客さまに、商品をもっと好きになってもらうためにおすすめ商品を紹介します。
お客様の使っている商品と相性のよい商品や、季節に合った商品などを紹介して、ブランドを好きになった上で商品を使ってもらうと、ファン化もより進みます。
「エミュアール」が27年間会報誌を続けてきた理由
ここからは、日本ヘルスメイト株式会社 の樽脇様よりお話しいただきました。会報誌を27年間続けてきた背景やヒストリー、取り組みについて紹介しています。
会報誌のヒストリー
もともとはエステに来るお客様に化粧品を販売していて、合わせて通信販売や電話で注文を受けて発送をおこなっていました。エステに来るお客様には、直接エステティシャンが使い方の指導ができます。しかし通信販売で購入されたお客様にはそこができない分、いろいろな情報や使い方、食事のバランスなどの情報を含めた会報誌を届けていたのが始まりです。
2014〜2017年の間に、一時期的ではありますがコストの関係で会報誌をやらなくなった時期がありました。しかしお客様からお問い合わせをいただいたり、離れていってしまう顧客もいたりしたことで、会報誌がないとやはり情報量が少ないと思いあらため、また再開に至った過去があります。
エミュアールの顧客は長く使っている方も多く、80代のシニアの方にもご愛用いただいています。SNSにも取り組んでいますが、やはりシニアの方はInstagram・LINE・メルマガが届かず、ホームページがあっても見れないという方もいます。高齢の方にはデジタルの情報が届かず、置いてけぼりになってしまう状態です。そういう方には会報誌で接点を持つことが、有効なコミュニケーションツールの1つとなります。
時代に合わせた会報誌の変遷
現在は会報誌「KIREI」を春夏秋冬の季刊誌として全国にお届けしています。時代に合わせた変遷として、次の3つを意識して取り組んでいます。
オンラインと店舗の融合
会報誌「KIREI」と別に、A4サイズで静岡のサロンの案内を入れています。使い方がわからない方や、化粧品だけではケアが追いつかないという方向けに、サロンに足を運んでいただけるような情報を届けています。
肌悩みに寄り添い「届けたい人に届ける」という点で、手間もかかりますが県内と県外で情報を分けて届ける工夫もしています。
読みやすさにこだわる
シニアの方もいるため、見やすさを重視してサイズはA4サイズになっています。またちゃんと会報誌を取って見てほしいという想いから、商品と一緒に同梱物として発送するのではなく、会報誌のみを別送でお送りしています。
同梱物に入れると、商品を買った方にしか届かないためです。休眠のお客さまにも情報を届けるための工夫です。
コンセプトは変わらない
コンセプトとして「三面美容(内面・外面・精神面)」を掲げています。ただの商品紹介ではなく、エステから生まれた考え方に基づいて肌の悩みや健康や心、お手入れなどの情報を届けています。
情報の届け方や形は変われど、揺らがないコンセプトがあります。
会報誌のコンテンツづくりは?
KIREIのコンセプト
会報誌「KIREI」のコンセプトは27年間一貫しています。商品PRよりお客様が綺麗になるためのサポートをする、内面美容・外面美容・精神面のエステの三面美容に関わる情報をお届けしています。
また商品への愛着を持ってもらうため、主成分である天然ゲルの働き・特性を伝えることを重要視しています。
どうしてアナログの紙に届けるのか?
最近デジタルツールやデジタルな顧客接点が増えているなか、アナログの会報誌を継続しているのには理由があります。会報誌の効果や届ける意義について紹介します。
会報誌を届ける意義
会報誌「KIREI」を届ける意義は次の3つです。
顧客の声を聞くためにも、メルマガを通じて不定期にアンケートを実施しています。そこで寄せられた疑問や要望に対し、次号の会報誌でコンテンツとして反映することで、顧客とのコミュニケーションを図っています。前回「目の周りのケア特集」をしましたが、これも「目の周りのケアはどうしたらよいですか」というお問い合わせから生まれたコンテンツです。
次に顧客接点に関してです。ホームページやSNSでも情報をお届けしていますが、シニアのお客様には届かないことも多いのが現状です。会報誌を楽しみにしている顧客も多く、シニアの方は会報誌の後ろを見て電話注文をしてくれる方もいます。そういう意味でも会報誌はなくてはならない、顧客とのコミュニケーションツールです。
また、売り上げの観点からいうと、会報誌と別にクーポンをお送りし、このクーポンの利用率で売り上げの効果を測っています。会報誌経由での売り上げは大きく、電話注文が増えたり、クーポンきっかけで購入いただいているのを実感しています。
会報誌を大切に保管してくださる顧客も多く、大変嬉しく思っています。これらがデジタルの時代に、27年間会報誌のお届けをしている理由です。